サッカー選手のための参考図書

代理人は眠らない

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概要

遠藤航のリバプールへの電撃移籍ほか、20年以上に渡り世界を相手に数々のビッグディールをまとめてきた、日本人初のイングランドサッカー協会(The FA)認定選手代理人が初めて明かす交渉術と舞台裏!サッカーやスポーツに興味をもつ人はもちろん、交渉力やプレゼン力を磨きたいと思うビジネスパーソンにも役立つメソッドも満載の1冊!(引用:Amazon)

書評

日本人初のFA公認エージェント

遠藤貴氏は日本人初のFA公認エージェントであり、日本代表のキャプテン・遠藤航のリバプールへの移籍を始め、数々の世界的ビッグディールを実現してきた。その交渉術と舞台裏が本書には刻まれており、現場ではリアルタイムに様々な駆け引きが行われていることを知ることが出来る。

一流のエージェントの生き方

本書では様々な移籍ドラマだけではなく、ビジネス書として、交渉力やプレゼン力の模範を知ることが出来る。遠藤貴は毎朝5時に起きて、毎日4〜5時間しか眠らない。移籍に関するあらゆる情報をチェックし、朝の8時から、多くの関係者の相談に乗る。

お酒を飲まない理由は、決して飲めないわけではなく、日本および世界中から突然来る連絡に常にベストな状態で臨むためだ。遠藤貴自身もトップアスリートのように自らを律する日々を過ごしている。優れた実績はこうした日々の努力なしには語れない。

エージェントへの階段

脱サラし単身でイギリスに渡り武者修行した遠藤氏。先ずは語学を完璧にするのが基本と考えていた。文法英語は通用せず、現地のリアルコミュニケーションで本物の語学を身につけた。そこからは、現地で繋がるサッカー人脈からあらゆるチャンスを逃さず、覚悟とともにエージェントへの階段を一歩一歩登っていった。

プロとしての姿勢

プロのエージェントとして、選手のため、そしてチームのために、誠心誠意で献身するのが遠藤氏のスタイル。欧州市場を主戦場としたことで、年棒だけでなく、移籍金のコントロールによって、選手にどれだけ高いステージを提供できるかが変わってくることに気付く。そこが日本のサッカー界とプロ野球が、世界での活躍に差がついてしまった理由と説く。エージェントの仕事は移籍だけではなく、選手や監督たちが、マスコミ、詐欺、ハラスメントなど様々なストレスに晒されることへのリスクマネジメントもある。そこには仕事を超えた、家族にも等しい信頼関係や結びつきが存在している。

日本サッカーへの提言

本書から読み取れる事実は、日本サッカーでも語られる「プレイヤーズ1st」という言葉の本質である。クラブは選手を成長させる環境であるが、時にはクラブが選手の成長を止めてしまうことがある。そのような時のために遠藤氏のような「本物のエージェント」という存在が選手には必要となるのは間違いない。今後の遠藤氏の活躍・ビックディールにも注目していきたい。

著者プロフィール

遠藤 貴

1972年5月15日、東京都生まれ。1997年に単身渡英し、日本と世界のサッカーをつなぐコーディネート、海外サッカーのコラムや書籍の執筆に従事。プレミアリーグの名門アーセナルFCでの勤務後、日本人として初となるイングランドサッカー協会(The FA)認定選手代理人のライセンスを取得し、サッカーエージェント事業を始める。 2005年3月、株式会社ユニバーサルスポーツジャパンを設立。 2022年3月、オーセンス法律事務所と資本提携し、総合スポーツエージェント事業に拡大している。

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