事前に伝えていた通り、とある選手を練習参加させるために某Jリーグクラブの練習を視察してきた。
その日は練習開始1時間前からグランドに入り、まずグランド全体の状況を眺めることにした。
練習開始1時間前で見えてくるものがある
現在の選手達の顔色は?
誰と誰が仲が良いのか?
誰が練習ギリギリに来るのか?など
グランドを見渡せば様々なことが推測できる。
そして、当然Jリーグのプロ監督も、優秀な監督ほどそういった全体像を常に頭に入れているケースは多い。
基礎練習で見えてくるもの
定刻より少し早めに練習がスタートし、監督も横でじっくりと選手達を注視しながらウォーミングアップが始まり、そのまま基礎練習へと移っていったが、基礎練習の中である選手に目が止まった。
某Jリーグクラブユース出身の選手で身体能力に恵まれた選手だ。
少なくともJFLクラスではその恵まれた身体能力を武器に結果を出せていたが、J3ではその身体能力は通用しなくなり、出番も徐々に少なくなっていた。
その選手の基礎練習を見た時に、「おそらく、この選手はJ3では今後も通用することはないだろう」と確信した。
止める蹴るが雑で、パスもずれる。
そして、それを気にしている様子もない。
おそらく、ミスと認識もしていないのだろう。
Jリーグで生き残れる選手の特徴
Jリーグ入団後に生き残れる選手、プロサッカー界で長く生き残れる選手の特徴を1つだけ挙げるとすれば、これしかない。
「どんな環境でも成長できる選手」
なぜなら、「選手が成長しないクラブ」は、シーズンの中盤以降に「成長する選手の割合が多いクラブ」に追い越されるという現象が、競争の激しいプロサッカー界では当然のように起こる。
成長する選手はクラブにとっては資産であり、成長しない選手は負債となるのが厳しいプロの現実だ。
もし、本気でプロを目指すなら、どんな環境でも成長し続けられる選手でなければ厳しいと断言する。
対照的にJFLで首を切られた元Jリーガーの話
最後に、ある年に、ある元JリーガーがJFLクラブへ加わった時の話をしよう。
その選手の特徴がこちら
- クラブの環境に最初から不満を語る(天然芝の練習場で練習できない等)
- サッカースタイルが合わないと不満を語る
- 「周りの選手より自分の方が能力が高いのに試合に出場できない」という思考から抜け出せなくなる
- 誰よりも遅くグランドに入り、誰よりも早くグランドから帰る
結果として、その選手は数試合出場したものの、重要な試合で敗戦に大きく関わるプレー(どう考えても日頃からの準備不足によるミス)もしてしまった。
シーズン通じて全く上向かない彼のプレーのクオリティとは対照的に、クラブはチームとしての成長を見せつけてJ3リーグへ昇格し、当然ながら彼は契約更新リストに載ることもなかった。
彼に必要だったのは何だったのか?
この記事を読んだ人なら、プロサッカー選手になるために、何かを掴めていてくれることを願う。